情報学

『学際研究』読書メモ(2):学際性の推進力

前:『学際研究』読書メモ(1):学際研究の定義 - 反言子 学際研究―プロセスと理論―作者: アレン F.レプコ,光藤宏行,大沼夏子,阿部宏美,金子研太,石川勝彦出版社/メーカー: 九州大学出版会発売日: 2013/03/07メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 学際…

『学際研究』読書メモ(1):学際研究の定義

前:『学際研究』読書メモ(0):序文 - 反言子 学際研究―プロセスと理論―作者: アレン F.レプコ,光藤宏行,大沼夏子,阿部宏美,金子研太,石川勝彦出版社/メーカー: 九州大学出版会発売日: 2013/03/07メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 学際研究の意味…

『学際研究』読書メモ(0):序文

ふと図書館で目に入って読んでみるとたいへんおもしろそうな本だった。学際研究―プロセスと理論―作者: アレン F.レプコ,光藤宏行,大沼夏子,阿部宏美,金子研太,石川勝彦出版社/メーカー: 九州大学出版会発売日: 2013/03/07メディア: 単行本この商品を含むブロ…

還元指向学際学問

学際に関する本とか読んでて、なんか似ている感じがある。 情報学:情報で世の中でみる学問。として、この「情報」はいろいろ置き換えの余地がある。あるひとは「秩序」とイコールで結ぶ。感覚としては、「生命」とか「記号」とか「システム」とか「現象」と…

物語と質的モデリング

性懲りもなくAKB0048の話をするんだけど、教科書としてのAKB0048は自分的になかなかの名文で、自分にとってのAKB0048のおもしろさ、なぜ自分はこんなにもAKB0048を魅力に感じるのか、ということを、自分の趣味の則して端的に解説している。つまり、物語をみ…

人文学の未来をつくる

溶解する<大学>作者: 日本記号学会出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2006/05/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る偉い先生たちの「不安」が読める不思議な本だった。だからこんな日記を書いて「応援」したくなったのかもしれ…

よみがえるための学際(米山優『情報学の基礎』を読んで)

なぜ学際というもの(総合的・融合的な学問)が必要なんだろう。下品だけれど、敵をでっちあげるとわかりやすい。科学という悪をやっつけるために、学際なのだ、っていう。なぜ悪なのか。科学は命をダメにしているから。美とか創造とか発想とかっていう、人…

科学を舞台から引きずり降ろす

なんとなく、教育を受けてきて、科学的方法というのは、知をつくるための優れたしたやり方だというイメージが、自然に、かはわからないけれど、いだいてしまうような事態はあると思う。典型として、理学や工学の教育において。また心理学や経済学や、部分的…

暗黙知の暗黙っぷりについて

暗黙知の暗黙ってなんだよっていうことを自分なりに考える。 暗黙知が何かは西垣さんの著書でたびたび紹介されていて興味をもった(『思考機械』の感想→宮殿が壊れて迷宮になる - 反言子、『集合知とは何か』の感想→暗黙知のリバース・エンジニアリング:全…

宮殿が壊れて迷宮になる

こんな動画をみたことがある。(3.14分なのですぐ見終わります。) こんな珍言がある。 window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createEle…

時を越える語り手

『デジタル・ナルシス』がおもしろかった。コンピュータとか情報システムの偉いひとたちを、西垣通の目線からふりかえって思いを馳せる本。 ところどころ西垣の上から目線のコメントが入ったり、いきなり映画批評をし出したりして何事かと思った。これは偉い…

脳内でフェルミ推定するアホらしさ

暇人\(^o^)/速報 : 面接でトンチ出されたと思ったらトンチじゃなかった件wwww - ライブドアブログ フェルミ推定の問答パターンって就職受験術としてたぶんみんな知っている。仮定と計算によって答えるっていう。でも、○○を××として仮定します。仮定し…

学びのための:リソース←リポジトリ←インデックス←パターン←目的

学ぶために利用できるものが、意外と、知らなかったけれど、あるものだなあと、大学のなかで思ったことがある。本とか文献およびそのデータベースっていうのはもちろんだけれど、自主ゼミとよばれるような活動あるいはコミュニティなんていうものがあるのは…

読書ツールとしての概念モデリング

ソフトウェアをつくるときに概念モデリングという考え事をすることがあります。概念モデリングとは、言葉の意味をよく考えて、言葉と言葉がどのように関係しているかを整理することです。整理の仕方にはいくつかの決まり事があります。その決まり事のおかげ…

KJ法は46656人の集合知をつくれるか?

「KJ法」で名高い川喜多二郎さん(2009年没)の、いまや古典ともいえましょう『発想法』を拝読し、僕は驚きました。KJ法がまさに集合知(集団的知性)をつくる技法にみえたからです。発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))作者: 川喜田二郎出版社/メー…

二つの集合知:Wisdom of CrowdsとCollective Intelligenceに共通する「多様性」指向

知識が生き生きとした関わり合いのなかで刻々と変わっていくということは - 反言子では「Wisdom of Crowds」と「これから集合知」という対比を持ち出しましたが、後者は「Collective Intelligence」(集団的知性)という概念の延長線上に位置づけられると思…

知識が生き生きとした関わり合いのなかで刻々と変わっていくということは

下の二つが『集合知とは何か』における西垣通の主な問題意識であると思う。 情報現象とは、情報から意味を受けとって生命が変化すること、および生命に解釈されることで情報の意味が変化すること、これらの変化の再帰的な繰り返しである。生命による解釈から…

暗黙知のリバース・エンジニアリング:全体←部分←部分←

「暗黙知」って思ったよりも興味深い考え方だった(西垣通『集合知とは何か』を読んで)。身体的な技能、手続き的な記憶、というものが暗黙知だろう、という程度のイメージだった。けれど、何が暗黙かっていうと、全体に対する部分に対する認識が暗黙的とい…

西垣通先生の講演メモ@NLP2009「意識と言語と情報」

@trickenさんのまとめ(西垣通先生最終講義「ラ・マンチャの情報学者」@東大福武ホール - Togetter)をみて、そういえば西垣通先生の講演をメモしたことがあったような、と思い出したので、掲載してみます。 この講演は言語処理学会第15回年次大会(NLP2009)…

データ=知識≠情報

あたまのなかに存在しているものが知識である。ある表現がひとに伝えられるとき、その表現を情報とよぶ。その表現がひとのなかに残ったら知識である。 情報から知識を得るには知識が必要である。情報を知識に変える方法は、知識であるからだ。宣言的記憶であ…

アジャイルの未来(『はじめよう Ruby on Rails』を読んで)

『はじめよう Ruby on Rails』という本を読む。Webアプリケーションのフレームワークは実際に使ったことがない。慣れるまでがたいへんそう。しかし、CGIなどでWebアプリを書いて無駄や面倒を実感しているひとほどすぐに慣れそうだ。 この本はRailsを用いたア…

ARGフォーラムを聞いて読書術を思い出した

2009-07-27(Mon): 8月17日(月)第1回ARGフォーラム「この先にある本のかたち」(長尾真国会図書館長×金正勲・津田大介・橋本大也)への招待 - ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) - ブログ版 岡本真さん、登壇者のみなさま、興味深い議論をありがとうございまし…

3日目:バグトラッキング分析、コミュニティ抽出

NAISTサマーブートキャンプ ソフトウェア工学講座「社会ネットワーク分析」の実習(2009年8月10-12日)に参加しました。 一日目午前:NAISTソフトウェア設計学講座をちょっと見学してきた 一日目午後:社会ネットワーク分析の基礎 二日目:ネットワークの特…

2日目:ネットワークの特徴量、Pajekの使い方

NAISTサマーブートキャンプ ソフトウェア工学講座「社会ネットワーク分析」の実習(2009年8月10-12日)に参加しました。 一日目午前:NAISTソフトウェア設計学講座をちょっと見学してきた 一日目午後:社会ネットワーク分析の基礎 二日目はネットワークの特…

NAISTサマーブートキャンプ1日目:社会ネットワーク分析の基礎

NAISTサマーブートキャンプ ソフトウェア工学講座「社会ネットワーク分析」の実習(2009年8月10-12日)に参加しました。 一日目午前:NAISTソフトウェア設計学講座をちょっと見学してきた 一日目午後。まず全体で説明を受けてソフトウェア工学講座で集まりま…

NAISTソフトウェア設計学講座をちょっと見学してきた

奈良先端科学技術大学院大学、情報科学研究科サマーブートキャンプ2009の前日(9日)からゲストハウスせんたんに泊まらせていただいています。浴槽が広くて椅子がいいです! きょうの午前にソフトウェア設計学講座という講座を見学しました。ソフトウェアの…

わかりやすさより大事なこと(木村浩『情報デザイン入門』)

木村浩『情報デザイン入門』 情報デザイン入門 (ちくま新書)作者: 木村浩出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2002/10メディア: 新書 クリック: 5回この商品を含むブログ (10件) を見る前半ではメディアの歴史をわかりやすく解説しています。技術的な背景を踏…

アレグザンダーの教えてくれた勇気

江渡浩一郎さんの『パターン、Wiki、XP』を読み終わりました。『クリストファー・アレグザンダー』を読んでアレグザンダーに関する予備知識があったせいでしょうか、うおー、すげー!と興奮するほどではありませんでした。しかしアレグザンダーの思想がWiki…

学問に貢献できるウェブのアーキテクチャとは

学問とは何か(その1) - マキペディア(発行人・牧野紀之) 学問とは何か(その2) - マキペディア(発行人・牧野紀之) 牧野先生のドイツ語の授業を受けたことがあります。上に挙げた、学問についてのお話も授業中にうかがって印象に残っていました。お…

「総合学術辞典フォーラム」参加報告

5月9日総合学術辞典フォーラムに参加してきました。東大のこぎれいな建物の地下でやったのですが、ケータイもPHSもつながらず、会場の無線LANも調子が悪くて阿鼻叫喚(笑)でした。 武田先生と三宅先生を初めて拝見しました。名前を存じあげている研究者を生…