読書

ひとの言葉に名前をつける/『ちょいデキ』読書メモ

ちょいデキ! (文春新書)作者: 青野慶久出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/09メディア: 新書購入: 6人 クリック: 114回この商品を含むブログ (103件) を見る仕事がちょっと活きいきする、すぐ使いたくなるメソッドがいろいろ書いてあった。自分なりに「…

学際研究=固有技術×探求学(川喜田二郎『発想法の科学』読書メモ)

発想法の科学 (川喜田二郎著作集)作者: 川喜田二郎出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1995/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る「学際」の話を抜き出してみる。『学際研究』の内容も引きながら。 学際研究とは 学際研究は単一の専門分野…

KPTのきもちよさ

これだけ! KPT作者: 天野勝出版社/メーカー: すばる舎発売日: 2013/08/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (11件) を見る『これだけ!KPT』を読んだ。 自分のやったKPTの例。 Ruby on Railsを3ミリも知らない俺がゾンビになってみた - 反言子 僕の「KPT…

『学際研究』読書メモ(2):学際性の推進力

前:『学際研究』読書メモ(1):学際研究の定義 - 反言子 学際研究―プロセスと理論―作者: アレン F.レプコ,光藤宏行,大沼夏子,阿部宏美,金子研太,石川勝彦出版社/メーカー: 九州大学出版会発売日: 2013/03/07メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 学際…

『学際研究』読書メモ(1):学際研究の定義

前:『学際研究』読書メモ(0):序文 - 反言子 学際研究―プロセスと理論―作者: アレン F.レプコ,光藤宏行,大沼夏子,阿部宏美,金子研太,石川勝彦出版社/メーカー: 九州大学出版会発売日: 2013/03/07メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 学際研究の意味…

『学際研究』読書メモ(0):序文

ふと図書館で目に入って読んでみるとたいへんおもしろそうな本だった。学際研究―プロセスと理論―作者: アレン F.レプコ,光藤宏行,大沼夏子,阿部宏美,金子研太,石川勝彦出版社/メーカー: 九州大学出版会発売日: 2013/03/07メディア: 単行本この商品を含むブロ…

よくわからない

哲学、脳を揺さぶる オートポイエーシスの練習問題作者: 河本英夫出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2007/02/15メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 53回この商品を含むブログ (30件) を見るテーマのわりには「わかりやすい」部類の本だろうとは思うけれど…

本を買う/借りる

買う:本を所有する。 借りる:本を制約つきで手にする。制約1:有期である。制約2:本を破損させない。手放しコストは貸し主が負担する。 説「本を買うとお金を払ったプレッシャーがあるから読める。ゆえに本は買え」。前提:本は読むべきである。 逆前提:…

物語と質的モデリング

性懲りもなくAKB0048の話をするんだけど、教科書としてのAKB0048は自分的になかなかの名文で、自分にとってのAKB0048のおもしろさ、なぜ自分はこんなにもAKB0048を魅力に感じるのか、ということを、自分の趣味の則して端的に解説している。つまり、物語をみ…

人文学の未来をつくる

溶解する<大学>作者: 日本記号学会出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2006/05/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る偉い先生たちの「不安」が読める不思議な本だった。だからこんな日記を書いて「応援」したくなったのかもしれ…

構成的理解

このまえ紹介した動画*1について調べて、泉和良「自作ゲームしかなくなっちゃったんですよ」というインタビュー記事を見つけて、こんなゲームをご本人が実況していたことを知った。 政治とか国防とか尖閣問題についてはほとんど何も知らなくて、このまえ『何…

AKB0048の超越性と近接性/濱野智史『前田敦子はキリストを超えた』を読んで

AKB48の近接性 前田敦子はキリストを超えた: 〈宗教〉としてのAKB48 (ちくま新書)作者: 濱野智史出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/12/07メディア: 新書購入: 9人 クリック: 3,364回この商品を含むブログ (47件) を見るAKB48というシステムを動かしつづ…

よみがえるための学際(米山優『情報学の基礎』を読んで)

なぜ学際というもの(総合的・融合的な学問)が必要なんだろう。下品だけれど、敵をでっちあげるとわかりやすい。科学という悪をやっつけるために、学際なのだ、っていう。なぜ悪なのか。科学は命をダメにしているから。美とか創造とか発想とかっていう、人…

本を読みたくない理由

本を読むことがある。本を読みたくない理由はたくさんある。 難しい本が読めない:難しい本は読むのに時間がかかる。時間をかけてもわからないことが多い。 知らない言葉にイライラする:疎い分野の評論や、人名や地名が記される文芸全般において、知らない…

機械で読む→精神で読む

いまどきは機械で本を読むことがある。本というパッケージに限らず、機械で読む、ということがある。機械で読むことは、操作することで読む。操作には、ボタンを押すとか、画面に触れるというのがある(ここではフリックよりもタップを想像している)。 ボタ…

書くというくさび

ふとした疑問というものが出てくる。その疑問というのは論理的にうまく構成されていなくて、言葉を質せば溶けて消えてしまうような疑問だが、発想の種という観点からは捨てられない。 「なぜ制約によって質が上がるのか」という種は、制約は観点を内包するか…

幸福に生きない脆い童貞

「素晴らしき日々」というゲームに「幸福に生きよ」というメッセージがある。これは作品の「表のメッセージ」だと思っている。裏もある。けれど、表である。僕はこの表のメッセージに、いくつかの言い換えが浮かぶ。内側に生きよ。生に生きよ。思考・言語・…

暗黙知の暗黙っぷりについて

暗黙知の暗黙ってなんだよっていうことを自分なりに考える。 暗黙知が何かは西垣さんの著書でたびたび紹介されていて興味をもった(『思考機械』の感想→宮殿が壊れて迷宮になる - 反言子、『集合知とは何か』の感想→暗黙知のリバース・エンジニアリング:全…

宮殿が壊れて迷宮になる

こんな動画をみたことがある。(3.14分なのですぐ見終わります。) こんな珍言がある。 window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createEle…

時を越える語り手

『デジタル・ナルシス』がおもしろかった。コンピュータとか情報システムの偉いひとたちを、西垣通の目線からふりかえって思いを馳せる本。 ところどころ西垣の上から目線のコメントが入ったり、いきなり映画批評をし出したりして何事かと思った。これは偉い…

AKB48を知らない一声優ファンがAKB0048をどうみてきたか(その2)

前回:AKB48を知らない一声優ファンがAKB0048をどうみてきたか(その1) ニコニコアニメスペシャル「AKB0048」first stage全13話一挙放送(2012年12月9日)の「AKB0048 突撃!ゲリラ・チャンネル」というコーナーをみて「のなめん」に対する印象が変わった。…

AKB48を知らない一声優ファンがAKB0048をどうみてきたか(その1)

アニメファンや声優ファンがアニメ「AKB0048」をみない理由は満ちあふれている。だから僕がいまこんなに「AKB0048」を好きになったのは、ものすごいたまたまだ。 第1期ごろにおける僕の「AKB0048」に対する認識を振り返る。 AKB48やAKBグループについてはほ…

読書ツールとしての概念モデリング

ソフトウェアをつくるときに概念モデリングという考え事をすることがあります。概念モデリングとは、言葉の意味をよく考えて、言葉と言葉がどのように関係しているかを整理することです。整理の仕方にはいくつかの決まり事があります。その決まり事のおかげ…

KJ法は46656人の集合知をつくれるか?

「KJ法」で名高い川喜多二郎さん(2009年没)の、いまや古典ともいえましょう『発想法』を拝読し、僕は驚きました。KJ法がまさに集合知(集団的知性)をつくる技法にみえたからです。発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))作者: 川喜田二郎出版社/メー…

期待の裏切りを期待すると物語を楽しむことを失敗しやすい

評判のよい作品がおもしろくなかったことがある。 期待した作品がおもしろくなかったことがある。 このさまを「がっかり」という。 評判のよさは(僕の)満足の大きさと無関係ではないか 評判のよい作品がある。評判は、点数の代表値(平均値や中央値)や、…

知識が生き生きとした関わり合いのなかで刻々と変わっていくということは

下の二つが『集合知とは何か』における西垣通の主な問題意識であると思う。 情報現象とは、情報から意味を受けとって生命が変化すること、および生命に解釈されることで情報の意味が変化すること、これらの変化の再帰的な繰り返しである。生命による解釈から…

暗黙知のリバース・エンジニアリング:全体←部分←部分←

「暗黙知」って思ったよりも興味深い考え方だった(西垣通『集合知とは何か』を読んで)。身体的な技能、手続き的な記憶、というものが暗黙知だろう、という程度のイメージだった。けれど、何が暗黙かっていうと、全体に対する部分に対する認識が暗黙的とい…

読みやすいコードからあふれ出た意味にしゃぶりつきたい

安易に流行に乗って『リーダブルコード』を拝読した。リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)作者: Dustin Boswell,Trevor Foucher,須藤功平,角征典出版社/メーカー: オライリージャパン発売日: 20…

高根正昭『創造の方法学』(初版:1979年9月20日)

方法論が、どうやってつくられて、どうやってつくれるのかに興味ある。あるいはディシプリンとかパラダイムとかいうものも。 社会科学の方法論の本。筆者の体験談に教科書的な解説がきれいに溶け込んでいるので、楽しく読めて勉強になる。概念(理論、抽象)…

2011年秋期アニメの好きな回

順番は順位ではない。 「境界線上のホライゾン」第9話 セリフが格好良い。セリフが最高に格好良く聞こえる構成になっていると思う。 「境界線上のホライゾン」第10話 衝撃を受けた第9話をやすやすと越えてきて冗談かと思った。この回のおかげで、第9話の格好…