ゆとり学習で「高い学力」をつける本

ゆとり学習で「高い学力」をつける本ゆとり学習で「高い学力」をつける本

主に幼児期から中学までの教育についての解説。子育てをしている方はぜひ読むべきです。心理学・脳科学に基づいた、考える力をつけるための具体的な方法を学べます。

基本的には子どもの時期における勉強法ですが、国語の項目については、どの世代の人でもかなり参考になると思います。また、仮説──検証型の学習はあらゆることに通ずるものだと思います。

仮説──検証型の学習

人間が学習をするにあたって、仮説──検証型の学習は脳の特性に合った良い方法のようです。しかし、これは学習にだけいえることではなく、私たちの普段の生活でも無意識に行っていることです。

ものごとに接するときに、まず自分なりの考えを持つ。そして、それを確かめ、かんがみる。よくいうPlan-Do-Seeのモデルですね。これは脳の働きを活性化し、なんといっても考えることを楽しめるものの見方です。

最初から正解を確認するのではなく、まず自分の考えを明確に持つことで、さらに深い理解を得られるでしょう。単なる学校の勉強にとどまらず、普段の生活においても、この考え方は重要なものだと思います。

ハードな読書とソフトな読書

本書において、国語の勉強でハードな読書とソフトな読書を使い分けるという勉強法が述べられています。ハードな読書とは、内容を論理的に捉え理解し、それについて思考し、論述するという、いわゆる国語の試験問題のような読書です。他方、ソフトな読書とは、自分の興味があるものを自由に読み、感想や要約などを求めないフリーな読書です。

これらは、どちらか一方に偏ってはだめで、ハードな読書はソフトな読書の質をより高めるという関係にあるようです。このふたつの方法をバランス良くこなすことで国語力はメキメキとつけられるというものです。

読書そのものを純粋に楽しむこと。また、論理に従い厳密に読み解くこと。これらは両立しがたいことですが、どちらかに偏ってもいけません。その点をいかに解決していくかが高い国語力をつけるためのポイントだと思います。

仮説──検証読書法

ハードな読書について、僕なりの方法を考えてみました。思いつきのアイデアなんで、良い方法なのかはわかりませんが……。

本というのはたいてい見出しがありますね。この見出しというのは、その章をもっとも端的に表しているものだと思います。つまり、見出しを理解すればその文章の要点を理解できるものだと思います。

そこで、見出しを理解するにはどうすればいいかを考えます。ここで重要なのはやはり、仮説のための設問を設定することでしょう。

設問を設定するには、見出しに疑問詞をつけるのが簡単で良い方法だと思います。見出しのキーワードやキーフレーズと思われる言葉に「なぜ〜か」「どのように〜か」「〜とはなにか」などの疑問詞を付加します。見出しによっては、そのままを設問にしても良いと思います。

そうして設定した設問に対して、自分なりの仮説を設定します。いまある知識をもとに、またあてずっぽでもいいので、設問に対する返答をできる限り簡潔に考えます。

そして、文章を読むにあたって、設問に対する解答のキーとなる部分に注意するようにします。また、自分の仮説と、どのような違いがあるかを考えていくことで、より深く理解できることでしょう。

そうして、その章を読み終えたら、再度設問の返答を考えます。このように各章でひとつの設問を解いていくことで、その文章をより深く理解できます。また問題を解決する楽しみや達成感も享受できます。

これら一連の方法は、紙に書いてやってもいいし、頭の中だけで考えても十分理解が深まるでしょう。もちろん書くことでより深く考えられることもあるでしょうが、大切なのはどれだけ読書を楽しめるか、だと思います。

考える楽しみ・知る喜び・理解する快さ。この読書法は、これらすべてを思いっきり享受できるものだと思います。この方法をもとに、また自分なりの考えをふまえたうえで、読書をより楽しむための手がかりとなれば幸いです。