こんなハタチのオトコ

ゆと部報より転載。
ところで、賀正。

中学生のようなことで悩んでいる。オナニーに罪悪感を覚えるとか、そういう感じの。カラダはこころの思い通りにはならないとか、そんな風な。

面倒だから、寝たい。面倒なことには目的がある。寝ることは、きもちいい。身体的なきもちよさを求めて生き方を決定することは、ケモノだし、セックスのことしかアタマにないオトコみたい。

下品な言葉、と思う。オナニーとかセックスとか。でも、そんなメンタル、僕こそが中学生のよう。だから、寝たいから、寝ようとしたとき、こんな自分が、どうしようもなく卑猥で、キモチワルイ、と感じた。

冷蔵庫に入っていたカニカマとウインナーをもしゃもしゃと食べた。加工食品のハーモニー。僕のカラダに味のカタマリが注ぎ込まれる。わけもわからず生を実感する。

歩こう。空を見上げながらよろよろと歩いた。流れ星は見当たらない。

帰り道。少し気づく。いま歩いていることは、カラダを支配している。歩くことに苦労は感じず、また歩いていたら勝手に踊っていた、とかないし、いつのまにか射精していた、とかありえない。僕は歩くことを意識していないけれど、だれかが決めたように僕は歩いている。このあいだ、僕は安心してカラダから解き放たれる。

しかしそんな姿を、きっとカラダは嘲笑っているのだろう。その、一歩一歩が、じつはカラダによる支配にほかならない。それすら気づかせない巧妙な支配。そんなシナリオだって描ける。

空を見上げていたときはどうだろう。何をしていただろう。何を考えていただろう。願い事? そんなの恥ずかしくて、星が流れた拍子にびっくりして引っ込んじゃうよ。思考だってリズムに依存している。

ずっとウェブにいれば、こんなことを感じずにいられたのに。