なんのために、どのようにして、英語の勉強会をするか


勉強会で、次は何をしようか、ということで、院試のことも考えて英語は何かと必要だから、英語にしようか、という話になった。
関係ない、いややっぱあるけど、こうなってくると形式が優先する(コンテンツが柔軟な)勉強会ということで、目的や対象から出発する勉強会に比べて暗黙的になってしまう部分が出てくるかもしれない(勉強会をするのが当たり前、というのはおかしい)ので注意したい。勉強会のコンセプトを位置づけたうけえで規模や形式を適応させていきたい。
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なんのために英語を勉強するか

目的。たとえば以下のようなこと。英語力が何かはさておき。

  • 院試に合格する英語力を身につけること
  • 勉強や研究のための対象と手段の幅を広げること
  • 英語でコミュニケーションする能力を身につけること

院試に合格するために英語を勉強するなら、まず院試における英語がどのようなものか把握する必要がある。院試全般に関する情報や志望する大学院の過去問を集めなければならない。院試の内容は志望によりけりなので、勉強会というかたちでベストな院試対策をおこなうのは難しい気がする。TOEICなどを院試代わりにしているところも多そうだが、TOEICの勉強なんて自分でやれって感じ。
英語でコミュニケーションする能力も社会的には重要だ。けれど個人的に切実ではないし、そもそもそれを目指す場合、どんな勉強会をすればいいのか検討がつかない。学術的な文章を英語で書く力も重要だが、ネイティブや専門家の指導を受けないとしょうがない。
個人的には勉強や研究を目的として英語を読むことに慣れたいと思う。結果として院試対策をする英語力の土台ができたらなあ、とは思うけれど、あまり関係ないかもしれない。

どのように英語を勉強するか

勉強や研究のための対象と手段の幅を広げることを目的として、どんなかたちで勉強会を進めるかを考える。以下のようなことがあると思う。

  • 洋書を輪読する
  • 論文を紹介する
  • 辞典から抜粋、和訳する

長短をてきとうに考えてみる。

洋書を輪読する

デメリット:適切な洋書を選ぶのが難しい。予習にかかるコストが大きい。方向転換しずらい。
メリット:ある分野や話題に関して体系的な理解を得られるかもしれない。バリバリ英語を読める。
姉妹編として、英語の技術書に取り組むというのもある。その場合、なんのための勉強かを意識しないとどっちつかず(単にスローペースで技術を覚えたとか)になりそう。
個人的に気になっている本は『Code v2』とか『The Wisdom Of Crowds』など。どちらも訳書がある。英語じゃないと読めないホットで読みやすい本があればよいけれど、自分では見つけられない。

論文を紹介する

デメリット:適切な論文を選ぶのが難しい。興味が一致しないかもしれない。あまり一般的ではない英語を読む。
メリット:自分の興味に合う。場合によっては学習コストが小さい。卒研に役立つかも。
論文そのものをあまり調査したことがないので探すことが難しい。指導者からの推薦があればよいが研究テーマに依存する。「英語の論文を読む」という目的意識がないならあまりやるべきではない(僕はあるけど)。
お互いが全訳を把握する必要はない。予習のゆるい、お互いの興味に柔軟な勉強方法だと思う。むしろ研究のおまけみたいなイメージ。

辞典から抜粋、和訳する

デメリット:適切な辞典を選ぶのが難しい。興味が一致しないかもしれない。
メリット:自分の興味に合う。学習計画が立てやすい。
ナントカ学辞典から記事を選び、和訳する。適切なナントカ学辞典がみつかるか問題。参加者全員がある程度予習しておくべきな気がする。

英語の勉強会をするにあたって

院試対策はおいておくとして、個人的には以下のような目的意識がある。

  • 情報科学に関する論文を読む力をつけて研究に役立てる
  • 社会科学とか世の中のホットな話題をはやいうちにチェックしたい

前者については実際に論文を読むのがいいし、後者については読みやすい洋書で慣れるのがいい。辞典は手頃な教材だけれど、テーマを絞らないと目的があやふやになりそう。
参加者の目的が一致しないとあまり意味がないと思う。そもそもに参加者が不慣れなテーマを対象にするので、適切な教材や方法を選ぶのが難しい。お互いが十分に納得できるかたちでなければ、勉強会のテーマとして英語は優先すべきでないと思う。
興味の一致する洋書がみつかるか、短めのトピックを定期的に紹介することに意義を感じるのであれば、ぜひその方針で取り組みたいと思う。というか、べつにTOEIC対策でもいいけどねw
ほかに提案があればお願いします>id:uesima