宮殿が壊れて迷宮になる

こんな動画をみたことがある。(3.14分なのですぐ見終わります。)

こんな珍言がある。

それでも僕は思ってしまった。わけがわからない。アートだ!
これは「ゲームのなかでプログラミングをしている」のだという旨のコメントがあった。そこで浅い想像はつく。ゲームのなかではアイテムの個数が変化するなど無数の「データの書き換え」がある。ゲームの不具合を突くことで「データの書き換え方の書き換え」をしてしまったのがこの動画だろう。しかしそう解釈したところで、僕の「わからない」はほとんど変わらない。
日ごろ「きれいに組み立てられたもの」を「わけがわからない」とは思わない。中身の構造を理解しているわけではない。それでも「わかる」と感じるのは、その組み立ての目的がわかるからだろう。ところが「最初の組み立て」が壊れた瞬間、「最初の目的」もいっしょに壊れる。そこで目的独立な〈迷宮〉が生まれる。冒険者は「次の目的」を杖にして進む。

  • 時を越える語り手 - 反言子
    • きれいに組み立てられたものが(自然に、故意に、かかわらず)壊れることに豊かさを見出す視点が『思考機械』と『デジタル・ナルシス』に共通している。