生で動く

MMD動画を観ていると、どうしてこれほどのものがつくれるのかと思いつつ、モデルや動きや装飾などがモジュール化されていて、それらを組み合わせて動画にしているのだろうと察する。動画は動画の投稿者がつくっている、と思うものだけれど、これらのモジュールをもとにカメラワークや演出を加えて総合しているのだろう。どうやらそのカメラワークもモジュールとして配布されることがある。モジュール化して再利用、などというのはソフトウェア開発においてはロマンのようなものだと感じているので、もしそんなふうに創作ができているのだとしたら、ゆめがあるなあと思った。

MMD(MikuMikuDance)がソフトウェアであるということくらいは知っていて(もしかしたら知らなくて、3Dモデルに関する規格か何かだと思っていたかもしれない。少なくとも個人がつくったフリーソフトだとは知らなかった)、このソフトウェアと世のモジュールを使わせていただいたら、もしかしたら簡単にMMD(3Dモデルが曲に合わせて踊る映像)がつくれたりするのだろうかと思った。試しにやってみたのでやったことを記録します。

動機

azoltさんの山風(「艦隊これくしょん」のキャラクター)がとてもかわいいので、この山風が生(なま)で動くところを観たいです。生という言葉の意味は自分でもよくわかりませんが、自分のパソコン上でレンダリングされることと関係あるかもしれません。

とくにこの作品がすばらしかったです。

また、桜井桃さんの結月ゆかりさん(VOICEROIDおよびVOCALOID)もとてもかわいいです。

ところで、これらの3Dモデルの作者は動画の作者とは別であって、厳密にいえば「〈3Dモデル作者〉の〈キャラクター名〉」とよぶことが正確かもしれません。しかし作品に総合して生命の質を与えたという意味では「〈動画投稿者〉の〈キャラクター名〉」とよぶこともできます。「~さんの〇〇」という言い方に、MMDにおけるモジュラリティや生命性を象徴しているようで趣を感じます。

MikuMikuDanceほか

ツール名としてのMMDMikuMikuDanceと書くことにします。

Vocaloid Promotion Video Project
古くないパソコンでしたら「1.4 MikuMikuDance(64bitOS Ver)」でいいと思います。「※エラーが出て実行できない場合」のものも入れておくといいと思います。自分は、入れていない状態だと動画の出力でエラーになりました。

以下のものもそのうち要るかもしれません。あとでもいいですが、自分は依存関係がわからなくて手間取ったので、最初に入れておくのもいいと思います。

インストールしよう - はじめての MikuMikuEffect!
エフェクト(Effect)という装飾を使えるようにする拡張ツールです。各種エフェクトを導入するためにまずこのMikuMikuEffectが必要だというのを知らなくて、しばらく詰まりました。

【MMD】準標準ボーンの追加方法について:Rickの作業棚 Rick's Rack in ブロマガ - ブロマガ
必要になるかわかりませんが、既存のモデルに、いい感じに踊るために便利な関節を自動で加えるツールです(たぶん)。リンク先のとおり、まずPMDEditorをインストールしてから、準標準ボーン追加プラグインを追加します。このあと使います。

Ut Videoコーデックのインストール方法と使い方【設定】
可逆圧縮で動画出力するときに使えます。ディスク容量が余っている方はどちらでもいいと思います。

あとは、一般的な動画のエンコードソフトもあるといいです。

モデル

MMDカルチャーにおごそかに乗っかっていきます。自分の欲しいものは配られていると期待します。

だいたいの作者さんは動画のおわりや説明欄にクレジットを書かれています。そこでモデル(Model)の作者がわかります。「モデル作者名 キャラクター名」などで検索するとよいでしょう。

自分の場合、chamさんの山風と、お宮さんの結月ゆかりver7をダウンロードさせていただきました。とてもかわいい。

他のデータでもそうですが、中にreadme等の説明があるので読んでおきましょう。

こちらの動画のとおりに、モデルを読み込んでみました。

モーション

モデルの動きのデータはモーション(Motion)とよばれます。カメラの動きもカメラモーション(CameraMotion)として配布されていることがあります。

リングイネさんの「シューティングスター」をダウンロードさせていただきました。これすごい。

どうすればこんなにすばらしい動きをコード(とよぶべきものと考えます)に落とし込めるのか想像もつかず、敬意を覚えます。動画からモーションを取り込むMMDモーショントレースという技術もあるようです。

MikuMikuDanceのファイル>[モーションデータ読込]からファイルを読み込みます。下の「再生」を押すと動き出します。モーションは現在フレームから読み込まれるのかな。左上のフレームが「0」の状態で読み込みましょう。歌詞の口パクのモーションが付いている場合はそれも読み込むとおもしろいです。

chamさんの山風でシューティングスターを再生してみました。動いた。すごい。

通常の衣装だとazoltさんの作品のミニマムな再現ですが、モデルを水着の山風に替えたらもうどこにもないものです。 f:id:kiwofusi:20190110134000p:plain

キャラクターを替えてみます。好きなものを組み合わせてべつものにできるすごい。

お宮さんの結月ゆかりver7を読み込んで再生したところうまく動きませんでした。モデルに準標準ボーンとよばれる部位が必要で、このゆかりさんにはそれがないからです。さきほどの「準標準ボーン追加プラグイン」を使ってゆかりさんのモデルを更新したところ、ちゃんと動くようになりました。

WAVじゃないと取り込めないので、使いたい曲を一般的なエンコードソフトでWAVに変換します。

MikuMikuDanceのファイル>[WAVファイル読込]からファイルを読み込みます。「再生」を押すと曲といっしょに動くようになります。完全に踊っています。

出力

動画を作ってみよう!・7~avi出力からエンコード - はじめてのMikuMikuDance!

MikuMikuDanceの表示>[出力サイズ]から出力サイズを変更できます。たとえば自分はスマートフォンで観てみたいので幅1440、高さ2560にしてみました。

MikuMikuDanceのファイル>[AVIファイルに出力]から出力します。フレームレート60fps、UtVideoを入れていたらYUV420 BT.709とかでいいんじゃないでしょうか。

一般的なエンコードソフトでmp4にして、スマートフォンで再生できました。

テスト以外のなにものでもありませんがアップしておきます。

服が乱れるのを直してあげたかったですがいまはここまで。