記録・情報・行間

メモをとるべきか。何のために? いつのために?
カメラ。マイク。情報量として圧倒的な記録を傍らに眺めて。
そのとなりの限られた脳と手と紙とペンで何を求める。
繰り返される一回な一過。矛盾の渦にどう歯向かう。
失われるものがあるから、残そうとするのだろう?
それは圧倒的な情報量のことか? 言うまでもない。
残すものはリマインダ。つなぎとめる情報の機能。
情報を残すことでしか、つなぎとめることができない。
だから「なぜ情報を残すのか」と逡巡する。はずれ。
プロセスは単なる点と点を指して「これとこれ」とよぶことで語るには尽きぬもの。しかし語ることは単なる点に対して尽きるもの。限界を突き破るすべは無粋で乱暴なやり方。「これ」と「これ」そして「いま」とたたみかける。「そのとき」にほかならないもの。意味は時間の外にある。ひとは内に。言葉は刻の刻み。あのときと同じ言葉は二度となく、ぶれた意味の絶え間なさから発生する生命の振動が、ひとがひとに与える言葉だ。