読書ツールとしての概念モデリング

ソフトウェアをつくるときに概念モデリングという考え事をすることがあります。概念モデリングとは、言葉の意味をよく考えて、言葉と言葉がどのように関係しているかを整理することです。整理の仕方にはいくつかの決まり事があります。その決まり事のおかげで、あやふやな考えにすぐ気づいたり、よくある関係を簡単な記号で書いたりできます。
概念モデリングはいろんな考え事に活用できます。たとえば読書メモです。僕は東浩紀『一般意志2.0』を読み終えての自分なりの概念モデル化をしてみました。下に画像を出しますが、読み飛ばしてくれて結構です。いくつかキーワードが並んでいるな、程度で大丈夫です。

これはあくまで僕が理解したことを整理した図です。東浩紀さんの考えを正確に映し出しているわけではありません。しかし、だからこそ意味があります。僕がわからなかったところ、もっといえば、わかったつもりだったことが、はっきりとわかるからです。
どうやら僕は「政府2.0」という重要な言葉を自分の言葉でうまく説明できないようです。それに一般意志2.0という「みんなの望んでいること」と、一般意志1.0という「専門家によるじっくりとした話し合い」が、どのようにぶつかり合って前に進んでいくかという、ありありとした姿もまだ思い描けません。
概念モデルは、理解したことを描き出した一つの成果物でもありますが、同時に、これから何を考えればよいかを教えてくれる先生にもなるのです。

一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル

一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル



概念モデリングについて知りたいかたは「クラス図」などで検索してもよいのですが、ソフトウェアづくりを知らないひと向けの解説があるかはちょっとわからないです。もしなければ、そういう解説もしていければよいなあと思っています(興味があれば☆ください)。
ちなみに上の図はastah*というソフトを使いました。これはUMLという図の書き方を知らないひとにはちょっと難しいと思います。もっと手軽に言葉を整理したい、というかたにはIdeaFragment2が使いやすそうです。