溜まった価値は誰が紡ぐの?

『うぇぶろry心理学』について補足。本書では、ウェブログの重要なところは記録が「蓄積」されることである、と主張されている。溜まった記録を読み返すことで「歴史の流れ」が見えてくる。
たしかにそうだけれど、だれが読み返して、そして流れを見るのだろうか。一部の研究者やヘビー・ユーザを除いて、この忙しいウェブで歴史を振り返ったりするブロガーは少ない。自分の過去ログを振り返るのさえ大変なのに、他人の「蓄積」に目を向けることなんて、よっぽど惚れていないとありえない。

(中略)
だれか「墓ブログ」とかやったら?
(補足の補足:あたりまえだけれど、僕だって「蓄積」を大切にしたいと思っている。「蓄積」が失われるのは悲しい。でも、どうすればいいかは考え中、ということです。)

はじめて行き詰まったブロガーへの手引き『ウェブログの心理学』

『ウェブログの心理学』
良い本だと思います。附録の「ウェブログの歩き方」は初心者さん必読です。「なんとなく」はじめた初心者は、必ず行き詰まる。そんなときに「ウェブログの歩き方」を読もう。
サイト論好きな人にとっては、きっと一度は読んだこと、考えたことがあるような内容です。心理学の枠組に基づき、丁寧に書かれているので、それでも読む価値は十分にあります。この本に、あなたのサイト論を照らしてみよう。もっと整ったサイト論が生まれるはず。
『教科書ry教科書』はよくわからない、と感じる人にも、この本は読みやすいと思います。これを読んでから『教科書ry教科書』に入ると良いのではないでしょうか。附録の「インターネット・ウェブログ関連年表」はコンパクトにまとまっているので、『教科書ry教科書』の予習(笑)に最適です。「ウェブログに関する論文・記事リスト」も良い。もう(ふつうの)リンク集つくらなくていいや。
本当に、ウェブにはウェブログしかないんだ、と思った。
興味深かった考察──心情を主体とする内容のほうが他者から拒否される可能性も高まると予想され、拒否回避欲求の高い人は事実中心型の日記を書くようになるのではないだろうか。(p.88)