「電波ソング」という文脈から引っぺがして抽象化した萌えはおぼろげになることは否めない論考

こんな女の子がすてきだ、という話をしましょうか。いわゆる萌えである。記号化甚だしい昨今、やはりわたくしも、それを「活ネガ」と命名してひそかに愛でておるものです。「活ネガ」とは何か。「ネガティブ元気少女」を略したものでございます。「活」というのは「活き活きとした感じ」を意味し、「元気」とほぼ同義であるということで、こう名づけました。
そうです、わたくしは「ネガティブ元気少女」がすてきだ、と萌えるのです*1。あるいは「元気ネガティブ少女」といってもかまいません。「ネガティブ元気」と「元気ネガティブ」のどちらがどうかというのは、定かではあらねど、いささの異なりをかもしていて、決めかねる次第です。
そもそも、わたくしはどのようにして「活ネガ」に魅力を萌えたのか*2。それは、とある電波ソングでした。曲名は濁しておきましょう。それぞれに、それぞれの当たりがあると思うからです。さてその電波ソングですが、とても悲観的です。歌詞だけ読めば、どんよりとさせます。けれど、歌い手の女の子は、とてもとても元気に歌うのです。活き活きと、悲観するのです。わたくしは戦慄を萌えました(「戦慄」とは不適切でしょうが、ほかに言い表せないのです)。
わたくしはこの萌えを「ネガティブ元気少女」という記号に収めました。

  • 「活ネガ」とは何か。
    • 心から悲観している。
      • 心から悲観していることを、やけになったように表現する。(アブナイ)
      • 心から悲観していることを、しかし希望をもって乗り越えようと奮闘する。(けなげ)
    • それほど悲観していない。
      • 演技を楽しむように悲観して、パフォーマンスとして披露する。(絶望先生
      • それほど悪い状況や環境でないのに、文学的または言葉遊び的に悲観する。(中二病
    • その他。
      • すぐ泣く。(級友である)
      • 好奇心旺盛な乙女。(え、えー! こんなのだめだよぉ……)

箇条書きしてみましたが、わたくし、手詰まりです。また会いましょう。ごきげんよう

*1:「──と思うのです」という用法に習いました。わたくしにとって「思う」と「萌える」を文法的に等価たらしめようという試みです。

*2:言うまでもなく「魅力を感じる」という用法に等価です。