読み手であること、書き手になること

どうして琴線に触れた情報を横流しするのか。どうして琴線に触れてもいない情報をも横流しするのか。だれかが知っていればそれでいい。きみが僕以上にわかるのであれば、僕が知る必要は感じない。零行零文字の感想を添えて、可能性を投げっ放す。
きみが僕以上に「僕の知ること」を知ることがありえようか。幾行幾文字の言葉を紡いで、可能性を投げっ放す。文脈を乗り換えたさきに起こるのは、活性か、死滅。生き残れ。そして栄えろ。僕という意義が尽き果てるまで。
言葉にできないものが言葉として流れ込んでくる。文章を読むことの魅力に挙げられよう。ひととひととのひずみにおいて仮死する言葉。よみがえらせるのは、それを包み込む新しい文脈にほかならない。起こるのは連続な現象でない。新しい命のために、殺す。