何を書くかではない。いざなうスタイル、みちびくスタンスが、良い入門書の証しである。

代替怠惰、はじめてのジャンルづけ。はじめてなの……。こんにちわ。
黒田龍之助『はじめての言語学』
すばらしい入門書に出会った。とはいえ、言語学の道を志したわけでないし、関心が深まったわけではない。むしろ、僕は言語学にハマることはないな、と判断した。そうできたのも、これが入門書として優れているからである。言語学に関心がない人も、この本を読んでほしい。そうすれば、言語学への関心をきっぱりと断ち切れるだろう。逆に魅力を感じたら、筆者のもくろみ通りである。それもいい。
本書に一貫してみられる筆者の思想。すなわち、言語に優劣はない。

自分が苦労せずに手に入れたもの、たとえば性別、人種、出身地、家柄、それに母語といったもので威張るのは卑怯である。その反対に、努力して身につけたもの、たとえば学歴、職業などと並んで外国語を自慢するのは嫌味である。(p.224)

(中略)
ミーム
(中略)
高校生
(後略)
結局、こうだ。