楽しく発明するための法律

特許に関するセミナーでもらった『特許から見た産業発展史』がべらぼうにおもしろい。はじめに先端的なトピックとしてビジネスモデルの特許とヒトゲノムを応用したビジネスを紹介し、江戸時代から産業の発展に特許がどう関わってきたかを追っている。発明が守られないのは不幸なことだとわかった。著作権だって楽しく創作するための法律だ。
日本に特許という発想が輸入されたのは明治からだ。しかしそれ以前、江戸時代における産業や技術のあり方が興味深い。株仲間や同業組合によって技術を囲い込むことで産業の発展を図った。貸し本業ではさまざまな技術者が協調して文化をつくりあげる。これは組織だろうか、それともコミュニティだろうか、と思った。組織とコミュニティという枠組みだって、なるほど極めて現代的な批判の視座に過ぎない。
人間像がみえるので楽しく読める。日本って戦後にやっとはじまたイメージがあるけれど、けっこう昔からすごくね?って思った。