書きかけシリーズ1.ニュースサイトは工夫するほど読まれない

同じ素材で組まれた、ある閉じた構造において、強さと弱さの総和は変わらない。ある部分を強くすると、ほかのある部分が弱くなるということに、留意せねばならない。強いものは壊れない。ただ、弱いものを壊すだけである。強いところがあるというのは、その周りが弱いということだ。強さに隣り合った弱さは、壊されるしかない。その一点の欠落が、構造そのものを崩壊させる。
ニュースサイトは外部からの情報を扱うことで成り立っている。いわば、素材を提供している。素材を自分で作り出す必要はない。ただ読むことを通して、出来合いのものを調達すればよい。良い素材は光っている。素材を集めるには読み解くまでもない。眺めれば、わかる。そうやって目にちらついた素材を拾っていけば、それなりのニュースサイトができあがる。
そのうち運営者は飽き足らなくなってくる。ニュースサイトとしての個性を見出そうとして、模索しはじめる。自分探しの時代ですか。まったくやっかいなものです。模索の仕方はさまざまである。素材を広くかき集める、一定分野に絞る、日記を融合させる、深く言及するなど。素材を加工したり組み立てたりすることで、構造を形作る。
(後略)