わたしはこんなにもあなたを好きだよと伝えるとおもしろがってもらえるのだろうか

わたしがこれこれこういう状況にあるのでこれはとてもおもしろい、というのが常であって、わたしがいまおもしろいと感じた対象をそのまま読み手に紹介しても、同じようにおもしろがってくれるはずがない。「わたしにはおもしろいのに、なんで?」の理由。では、どうすれば読み手を喜ばせられるか。「わたしがこれこれこういう状況にある」ことを説明すれば「とてもおもしろい」か。わたしがいまこうであるという状況を伝える(追体験させる)には高度な表現が求められる。また、もし読み手が「これこれこういう状況」にあるわたしを体験したことがあるのなら、あなたのことを思い返してくださいと頼めばよいか。思い返したとき体験は体験のままでない。
わたしの体験に深く根づいているおもしろさを伝えるのは難しい。もし「深く根付いている」ゆえの「おもしろさ」であれば、読み手に伝えようとした時点で「おもしろさ」がなくなる。この「おもしろさ」が伝わるかどうかは、読み手の体験(読み手の状況と、わたしの表現による追体験)による。より喜ばせるにはどうしようか。「読み手の状況」を覆い尽くすほどの豊富な体験をわたしがする(かつ体験は状況のままでなければいけない)。また、わたしの思うように読み手を追体験させるために表現を磨く。

(2005-11-中旬)