ではそのどこが強みなのかという論理展開が欠けている

うっひゃおーい、いやっほーおおう。おれの強みってなんだ!? 基本的に怠惰! 基本的に絶望!
きょう思ったことがある。希望の貯め置きはできない!
基本的に怠惰! 「受験生の真髄」を掲げているが、ぎゃは、ちゃんちゃらおかしいわこんなもん1! 勉強してないまぢしていない。きょうはテストだった。きのうもだった。おとといも。あした、あさって、模試。していないなにもしていないんだ。明日のために、その1。しない。やるのは、ただきょうのために。それも遅いくそ遅い。朝起きたら。しない。おトイレ。しない。電車。しばらくしない。やっとだ。やっとだぜえ。やっと教科書を開く。頭のなかでは電波ソング。こ、これだこれこれが物凄い集中! 物凄い集中の分散は、しかしばかやろう物凄い集中を錯覚さす。
電車をおりる。学校へ向かう。教室のドアを開ける。「あら、きをふしくん。げきげんよう」「ごきげんよう」ない! そんなハイソなあいさつない! なんの会話すらない! 勉強だ。物凄い集中の分散だ。ああ始まるもう始まる。ここから加速するじゃんするところじゃん。等比級数的増大。指数関数的増大。しかし電波ソング。パルス全開。集中分散。物凄い。物凄いよ。
基本的に絶望! できないできないできない。公比は1以下かもしれない。収束するおれの人生。
時間がいつにも増しはやい。光のようにはやい(あれ?)。帰宅。昼食。午後。ぱぱっぱぱ、ぱそ、ぱそこんだ、ぱそこんだ。三十分経過。や、やっべ、やべい、まぢはうあやばい。もう、まぢ、もう、もう一時間くらい経っていてもいい。さんじっぷんだぜ。かつてねえかつてねええよ。
トイレに向かう。こんなにも三十分というものがあるこの世界に希望はある。だからこれからも、これからもだいじょうぶだ。絶望したときこの三十分可能性を思い出せ。ば、いける。だがだがだがだが思う。希望の貯め置きはできない! いまだけっていう、いま性だ。これはいま性なんだ。希望の貯め置きを試みたことはある。それを展開できたためしはない。いま性だからだ。希望の貯め置きはできない!
基本的に怠惰! 志せばいまやればいい。きょうやる、では弱いことがわかった。いま、だ。領域と程度。領域は、いますぐできないかもしれない。程度の、側面から、いま性に志を託せ! 上がり、移る。移ってから上がれない怠惰。しかし上がりさえしない。いま性を貯め置きする。できないできないできない。き、切れ。落とせ。かつてないさんじっぷんで幕を下ろせ完結させろ! キキキ基本的に怠惰! さんじっぷに足すことヨンジュウゴフン。計75分。ま、まだいけるぜ。カカカかつてない75分! なぜか。テストを終えた否テストに終わらされた怠惰解放からかつてない希望。貯め置きできない!
しかれども強み。時期早計わかってる。まあた、まあたやってるよこれ。悪い癖ですが、続いていることを無理に完結させて解釈する、ということがしばしばありまして、たとえばこう言います。受験はよいものであるよ、どうかきみも、その、やってやってください。まったく、大きなお世話などという無邪気なものではございません。無理に完結させるとは、諦めることです。受験はよいものであるよ、と言う僕は、ばかやろう、まだわかっていません。まだやっていないんですよ。要するに、はあ酷いや、「あらかじめの後悔」をして「育てたい」と思っているわけです。(2005-10-31)
おれと同年代のすげえやつらって、どれくらい怠惰、絶望であろうか。「タタタ楽しいココこれ楽しい!」とかイってるやつって、けっこうすげえことやってんだろうな。僕が恐れるのは、怠惰で絶望でなのにすげえやつ。つまり、僕のもつ悪質な性質すべてをもち、それを悪質にしない輩。それが悪質でない輩。ぐだぐだな「悩み」「苦しみ」におさまらない、力強い「悩み」「苦しみ」をしている超人哲人ども。基本的に自惚れで演技ででっちあげの怠惰、絶望で、けれどそれを物語に昇華する危ないやつら。「ごっこ」で苦しむあいつらは、つるむ。「酔い」で苦しむ変なやつら。やつらは隔たる。苦しみブームの昨今、おのずからの苦しみでない、作為と作意でみずからを覆う。なんために苦しみたいのだ。おまえら、おれを引けよ。苦しみごっこで苦しみ楽しむおまえらは、おれなんか引いちゃうんだろ。そういう奇人。好きだ。もし、いたら、嫌いだ。