2011年秋期アニメの好きな回
順番は順位ではない。
「境界線上のホライゾン」第9話
セリフが格好良い。セリフが最高に格好良く聞こえる構成になっていると思う。
「境界線上のホライゾン」第10話
衝撃を受けた第9話をやすやすと越えてきて冗談かと思った。この回のおかげで、第9話の格好良さがアクションではなくセリフだと気づいた。味方が不利になった状況であがる敵の勝鬨がくやしく、応援のきもちがわき上がる。
「ましろ色シンフォニー」第1話
登場人物がただ金木犀のにおいをかぐだけのシーンに驚いた。鮮やかで豊かな落ち着きを味わえる。
第1話は視聴者と二人の登場人物との出会い、とくにその唐突さが印象深い。主人公が彼女の目をみるまで、視聴者にも彼女の目は見えない。ひとりの少女を、もうひとりの少女が助けるときの顔を、視聴者がみることはできない。視聴者は主人公にともに出会いを体験する。
「ましろ色シンフォニー」第7話
偏屈さが裏目に出るという事態、そのときのきもちを問いかけてくる。行間と最低限の映像でこころを揺さぶってくる表現に感心した。
「ちはやふる」第6話
(「ましろ色シンフォニー」第7話のような表現の)一方で、「ちはやふる」は登場人物たちのこころのこえを詰め込んでたたみかけてくる。しかし第6話では埋める余地のある間(ま)を多く感じた。それはちはやが奏の視点に触れたからだと思う。ふだんの「ちはやふる」の猛進さは、それがちはやの物語だからなのだと気づいた。ふだんの「ちはやふる」とのギャップと、その表側にある「ちはやふる」らしさを確認できた。
「ちはやふる」第11話
ちはやとか、あと「花咲くいろは」の緒花のような、一見、行動力がその人物の最大の特徴であるキャラクターがいる。僕はそういうキャラクターがみせる賢さが好きだ(緒花については緒花がどれだけ僕よりも賢いか(「花咲くいろは」第6話感想))。
冒頭でいきなりちはやがそんな賢さをみせる。問題に対する解決で悩んでいるときに、問題そのものを転回させる機転の鋭さがすごい。そして、それに応えて役割をまっとうする太一が格好良い。「境界線上のホライゾン」第10話と同じく、本気で「がんばれ!」と思える回。
「たまゆら」第7話
どんよりとした天気をかおちゃんのぽってに対する優しさの表現に用いるのが、この作品自体の優しさを表現しているようで好きだ。かおちゃんの「くやしい」から始まる語りから、ゆめうつつのぽってが温かさを感じるのが、二人の通じ合うこころを感じさせる(僕はこの「くやしい」という声を聞いたとき、びくっとした。それがかおちゃんの優しさからくる声だということは、続く言葉を聞かないとわからなかった)。雨が上がってぽってと手をつないで外に立つかおちゃんはこのとき、ぽってと同じ場所に立つ主人公だ。
その他
- 「境界線上のホライゾン」第1話:ごちゃ混ぜ感が楽しい。きもちよいアニメだと思った。
- 「Fate/Zero」第1〜2話:時間を使ってじっくりと盛り上げる第1話と、それを受ける激震の第2話が楽しい。
- 「プリティーリズム・オーロラドリーム」第36話:圧倒的にかわいいだけだと思っていたかなめちゃんが物語を大きく動かしてきて引き込まれた。
- 「ましろ色シンフォニー」第5話:脳内イメージ、ひとりごと、こころのこえを駆使した表現が、この作品においては極上のギャグである。
- 「ましろ色シンフォニー」第6話:やけどした手を見ながら帰る瓜生は、紗凪フラグだと思ったんだけどなー。
- 「UN-GO」第7話:つねづね「この作品ってミステリーとしてみるとクソだしどうしたらいいんだろう」と困っていたが、このへんから「そうか、これはファンタジーだ」と気づいて、楽しめるようになった。
- 「真剣で私に恋しなさい!!」第1話:やまとが格好良い。ワーワー感ある。キャラを把握してからみるともっと楽しい。
- 「真剣で私に恋しなさい!!」第6話:最高におもしろい。
- 「バクマン。2」第6話:名シーンですね。映像と声がつくと過激すぎると感じた。
雑感
「境界線上のホライゾン」第9話とか「ましろ色シンフォニー」第7話のような衝撃があると、これだけのものをくれたんだから、もうこの作品では何がきてもいい、という、期待とは違う、寛容のきもちがわいてくる。すると穏やかなきもちで作品を鑑賞できてよい。「境界線上のホライゾン」第10話はそこをさらに越えてきたので信じられない。