慣れる

心理的にも、身体的にも、慣れる、という。心理的な慣れも、比喩的に、身体的な慣れの同類として理解しやすい。意外な意見、あるいはそのさまざまな根拠を繰り返す聞くことによって、慣れる。けれど、からがが動くわけではない。手続き的な記憶の一種といえるだろうか。(心理的な慣れの典型としての)意外な意見への慣れが、判断の省略によって進展するなら、心理的な慣れといっても、心理的な過程の省略という意味で、心理の希釈、その反対に、身体化、とでもいってしまえる。言葉遊びか。しかし身体的な慣れというのも、心理的な過程の省略に大きく依るだろうから、慣れというのはだいたいそういうものかもしれない。
生活習慣というスケールで、あることに慣れられれば、と思うことはある。(ある)意外な意見に慣れる、という事態とはスケールが違うように感じる。大きなスケールの慣れは、それに見合う単なる繰り返しの多さによって達成されるのか。可塑性の強さに、断絶を感じる。