本を買う/借りる

買う:本を所有する。
借りる:本を制約つきで手にする。制約1:有期である。制約2:本を破損させない。手放しコストは貸し主が負担する。
説「本を買うとお金を払ったプレッシャーがあるから読める。ゆえに本は買え」。前提:本は読むべきである。
逆前提:本は読まないべきである。逆説「本を借りると簡単に返せる。ゆえに本を読まずに済ます気分を得やすい」。
バランス調整:ある本に興味をもつとき、それを読むことはその興味に合致すると有益であると期待するが、かならずしも興味と内容と益の三つはあらかじめ合致するわけではない。たとえば「難しくて読めない」。このとき興味と内容は合致しているが、内容から益への変換効率が悪い。このとき「それでもがんばって読む」ことは、よいこともあれば、わるいこともある。どういうときにわるいかというと、難しさに苦しんでもともとの興味すら失ってしまうような事態だ。ならば「読まない」ほうが得だ。「また読む」こともできる。「借りる」本を「また読む」場合「また借りる」ことが必要であり、失敗リスクが増える。個人感覚的には「読んでいない」から「手」放す、「また読む」から「また借りる」、というほうが、きっぱりしていてきもちよい。
「逆前提:本は読まないべきである」が強いほど、「買う」よりも「借りる」益は大きい。この逆前提の価値観を考える。あることをするとき、本当は本を読まずにできたほうがよい、という自意識がある。その(自分にとっての)実現手段が本くらいしかなく、仕方なく本でやる、と考える。