疑似恋愛の特性から「倫理的な推し方」を考える
疑似恋愛の2つの特性(疑似性)
非対称性:1対多の関係である
1人のアイドルに多数のファンがいる
1人の嬢に多数の客がいる
文脈依存性:恋愛関係の文脈が限定される
握手券の枚数×n秒のあいだは恋愛関係である
名前を呼んで目線が合った瞬間だけは恋愛関係である
お店の中の同じソファーに座っているあいだは恋愛関係である
オプションを申し込んで同伴しているあいだは恋愛関係である
疑似性は隠蔽される
非対称性と文脈依存性は隠蔽されたほうがリアル恋愛に近い。
写メ会:フレームのなかで二人きりになることで非対称性を隠蔽する
モバメ:日常生活のなかで不意にメールを受けとることで文脈依存性を隠蔽する
ファン仲間は1推しがカブらないようにする傾向(ジャニーズ)。
隠蔽されないこともある
握手会レーン
総選挙
生誕祭実行委員は1推し共通コミュニティ。
疑似性を暴露する握手会レポ
1推しとの握手会でのやりとりをブログに書く熱狂的ファン
「認知」に基づく「二人だけの世界」的やりとりにみるリアル恋愛性と、それが握手会においておこなわれネットに多数公開されているという疑似性の暴露。
\圧倒的疑似性!/
単推しを貫きながら共通の単推し仲間と交流するファンは一体何者なのか?
推しの倫理
推される者の主張
「推し変されると悲しい」
「DDはよくない」
「1推しは決めたほうがいい」
倫理的推し=単推し
なぜ単推しなのか?
1対1の変わらない関係が健全な恋愛関係だから。
単推し倫理の矛盾
推される者は推す者に単推しを主張するが(非対称性の隠蔽)、同時に多数の者に推されていることを認める(非対称性の暴露)。
仮説1:推される者はただひとりの単推しだけに推されるべきである
仮説2:DDこそが倫理的な推し方である
仮説3:推しと推されの関係は非対称であってもよい理由がある
推す者のあり方
超人
単推しし、疑似性の暴露を受け入れる。
恋愛推し
単推しし、疑似性の暴露を避ける。
浮気
DDで疑似性の暴露を避ける(対称関係の逆転)。
方法的倫理推し
DDで疑似性の暴露を受け入れる。
推される者は推し変の悲しみに晒され、推す者はその関係が擬似的であることに悲しみ、世界の悲しみを諦め、推し・推され関係を維持していく。
推さない
好きな者を推す(?)。