講演メモ:「大学の知を教育現場が使える形で発信する試み」三宅 なほみ(東大)

総合学術辞典フォーラムより。
まとめ:「総合学術辞典フォーラム」参加報告 - 反言子

「大学の知を教育現場が使える形で発信する試み」三宅 なほみ(東大)

すごくおもしろかった!

技術的には情報横断が可能になっている。すごい量。
うまく使う仕組みをつくってやってみながらビジョンにつなげていけたらいいね!
現状:辞典
 初心者は認知科学辞典をどう使う?
  資料からキーワードを構成して書いてあって欲しいことを予想する、実際に調べてみて評価・再検索、感想を書く→見つからないが66.9% e.g.基本的すぎる「こころ」「自然言語」「認知科学」、名詞でないもの、教員のキーワード
  「自然言語」→自然を接頭辞にした10項目に驚き、見つかっても単語に違和感
 原因:検索スキル・基礎知識に欠ける→本当にそう?
  ゼミを決める参考など、結果の使い方がわからない。どうやって使うか!
現状2:学術俯瞰講座「東大俯瞰講義」
 高校生向きの講座:情報をいかに利用するかがビジネスチャンスになる?
 学問領域同士の有機的なつながりをはやいうちに見せる。
  ひとつの俯瞰講義はヘリコプター、全部で人工衛星
 自分の立ち位置と俯瞰講義の切り口との相対関係をつかめ→とにかくとれ
 全体像のなかからちっちゃいことに取り組んでいく知識観。難しい!
 知識とはどのように学んでいくべきものか、なんのために?
 難しさ:期待される学習モデルの違い→自分なりの知識体系をつくること
  しかし、このモデル(俯瞰方法)の獲得そのものを支援していない
中間点
 e.g.生命科学オントロジー表現を使う
  教科書と先端論文をオントロジーでつなげて可視化する。
  専門家にやってもらう。論文とオントロジーの関係づけを。
  生命科学はお金使ってオントロジーつくってるの? バイオ関係のDBかな。
 問題点
  オントロジー構造そのものを獲得できるのか?
  俯瞰や統合はオントロジー表現でどう支援できるか?
   本人が自分で知識をつくっていく、という前提。新しい問題
これから
 個の知識構成を支援する
 「ひとはいかに賢くなるか」についての認知科学をベースにしたい
  たくさんのひとでいろいろやると自分も賢くなるw
 概念変化+社会的構成主義 などw
 古くて新しい学習モデル
  個人でできる観察 観察・質点パタン記述
  他人の意見も統合俯瞰した理論
   説明用モデル:他人のいうことも納得できる説明
   形式理論原則:科学的と認められる説明
 知識の個人による自力構造化のために支援
  素材:わかっていることの言語化・おもしろそうなものの提供
   ツール:自分の知っていることの構造化・言語化の支援→概念地図作成支援
  つなぎ方:例示する・つなぎ方そのものの獲得も支援する(学習研究者もわからん)
   講義をどのようにするかという先生がたにとっては極めて身近な問題! 講義の順番をてきとうに決めて、つなぎ方の例示すらしていない。学習の研究は、大学教育のあり方に対する問いかけも含んでいるんだなあ……。
   仮説実験授業(事実のつながりが理論化・仮説づくりをみちびくことを体験的に知らしめる)、カンブリアンゲーム(関連づけを増やす進化)、ジグソー法による協調的学習(説明しあって理解を補い合う)
   e.g.空気と水:11の実験(予測・討論・再予測・コメント)
    コップを逆さにして水にぶち込むとどうなる? 半分水入ったり……。
    す、すげー! 水の入ったやつをひっぱりあげると、とか、おもしろい!
    ひとつ穴の空いた缶から液体はこぼれるか……。
    討論をすると当たってる……! でも、ひっくり返った! 討論が盛り上がる!
   なにが起きているのか
    こどもは勝手な意見をつくる→科学ってそういうものw
    当たってても間違っててもおもしろい。社会構成主義的な知識を得ていく
 大学が発信すべき知
  素材・つなぎ方・つなぐための仕掛け
  情報を得るWebから、自分なりの納得をつくって比較し、納得の度合いを深化させていくWebへ