政策を提案・投票できるウェブサービス「パクト」を使ってみた

パクトに登録してみました。国民参加型の政策実現プラットフォームとのこと。7月1日に開設されました。

サービス概要:パクトは市民と議員の橋渡し?

パクト・ドットジェイピーってなに?で「パクト」の語源が紹介されています。フランスでジャーナリストが政策を提案し大統領候補に署名を迫ったというのが発端らしいです。ところで、このパクトは実現されたのでしょうか? ほかにフランスで実現されたパクトはあるのでしょうか?
サイトとしては、ユーザが政策を投稿することができ、別のユーザがその政策に投票したりコメントしたりできます。運営者の関与が控えられているぶん彼らが何をやってくれるのかが気になります。

パクト・ドットジェイピーってなに?

支持を集めた政策は、議員や政党に伝えられ、賛同してくれる議員から署名をとりつけることで、実現に向けた動きを推進します。

意欲的な政策提案ユーザと、たくさんの投票ユーザによって大切な政策を浮き彫りにして、パクト運営者は提案者と議員のあいだの橋渡しをする、という図式でよいのでしょうか。試みた際にはぜひやりとりの詳細(連絡した議員の意見、署名数など)を開示していただきたいです。
政治の市民参加と聞いて思い浮かぶのがパブリックコメントです。パクトは、政策提案ユーザの立場では公的な募集に依存しないストレートな主張ができ、投票ユーザ・コメントユーザの立場ではより手軽に意見表明ができるメリットがあると感じます。

使ってみた:「投票」がいまいち手軽じゃない

登録は最低限の情報で手軽におこなえました。
登録・利用方法はパクト・ドットジェイピーの使い方にまとめられています。
さっそく興味のある政策(パクト | インターネット選挙の解禁を!!)を開いて投票しようとしたのですが、やや手順が面倒でした。まず「投票」と「賛成」が同じ意味であると理解できませんでした。「この政策に賛成・コメントする」を開き、「この政策に賛成する」ボタンを押してから「確認画面に進む」ボタンを押す必要があります。投票は1アクションで実行できるとうれしいです。
その他、細かい指摘を挙げておきます。

  • 投票後にもとの政策ページに戻れないのが不便(じっくり読んでから投票するのは面倒なので)
  • 委員会ごとの政策数、政策ごとのコメント数なども一覧で表示してほしい(盛り上がっている分野・政策を把握するため)
  • RSSを配信してほしい*1(新しい政策の動きを追うため)
  • 活動履歴「賛成・コメントした政策」で提案日、自分の投票した日などで並べ替えたい(気になった政策の動きを追うため)
  • 自分の投票した政策の新着コメント一覧が見れれば便利(気になった政策の動きを追うため)
  • 委員会のポップアップ説明を一覧で表示し、「使い方」にも載せるor参照させる(政策提案ユーザ・閲覧ユーザの迷いを減らすため)

以下、ちょっとした感想です。

  • パクトの方針に反するかもしれないが、政策別のアクセス数(もっといえば登録ユーザのあしあと)を見れたほうが賛成の空気に濃淡が出せそう。
  • 「参考URL」が一件しかないのはどうかと思ったけど、そのぶん投稿者が厳選した1ページを提示してくれて案外いいかも。URLの文中リンクもできるようだし。

パクトは議論のプラットフォームを越えるのか

パクトはいまのところ意欲的な政策提案ユーザがひっぱっている感じでおもしろいです。投票というシステムに意味をもたせるなら、政策の提案はむりだけどあいづち(投票)くらいは打てるよ、というユーザを今後どれだけ増やせるかが鍵でしょう。逆に、有識者が深く議論する場は目指していないのかな、という印象を受けます。サイトの構成をみても政策を投票順で見せることを強調していますし。
しかし、単純な投票数が政策の重要性を表すのか、投票数の多いものが上に「溜まる」のではないか、という心配はあります。簡単なアイデアとして投票の「勢い」ランキングはぜひ導入すべきでしょう。
パクトが僕のような「パブコメ以前」な知識水準の市民を政治に引き寄せてくれることを期待します。しかしこのサービスを根本から盛り上げるのが政策提案ユーザであることを考えると、議論を展開する工夫も効果的かもしれません。素人の僕でもかみ合っている議論を読むのは楽しめますので。
ひとまず投票をはてなスターくらい手軽にできるようにすべきだと思います。ブログパーツもつくりたいなあ。

*1:とりあえずMyRSSに登録しました。政策一覧(日付順)のRSSはここから取得できます→http://myrss.jp/rdf/r4a5426b9919201600.rdf?v10