問題表現と目的表現

問題理解について。よくわからない問題は、よくわからない。問題意識のない問題理解は生気が抜けている。けれど問題意識のつくり方はわからない。
問題に対する解決は目的をもつ。目的を解決の仕様と捉える。あるいは問題の事後条件と捉える。狭い意味での問題を、問題(興味の対象領域)における事前条件と捉える。言葉を換えるなら、現実に対する解決によって理想を得る。このとき目的とは理想の条件、すなわち解決の要件である。仕様をレールに喩えれば、目的は解決のレールである。
日常的な言葉遣いで考えると、問題は疑問文(なぜ、何が)、またはネガティブな用言(少ない、遅いなど)で表現される。目的は理想の記述(〜になる)、または欲求(〜たい)として表現される。問題表現は独立しうる。問題表現に対応する目的表現を見出したとき、その問題表現の意味は豊かに解釈できる。問題の意味を育てるには、目的表現とのつながりをつくるのが有効ではないかと予感する。