パターンとフォースとぎゃー!

Togetter - まとめ「パターン・ランゲージにおけるシェファーディングとは何か。」を読んで気になったのでシェファーディングのランゲージ(pdf)を読んでみた。
シェファーディングはパターンをよくしていく方法なので、パターンライティングや「羊」の経験がない僕が読むのもどうかな、と思ったが、ウェブサービスの改善や論文の書き直しにも通じるところがあり、楽しく読めた。ぎゃー!と思ったフォースなどをちらっと紹介しよう。

1. 三度の繰り返し

通常、シェファーディングに割り当てられた時間内に、三度の繰り返しを可能とするためには、ほぼ間違いなく、直ちに取り掛かる必要がある。

ぎゃー!
やりとりがうまくいかない、作品の改善が進まない、という問題に対して、やりとりを増やせばよい、というのはありきたりな答えだ。実際に、三度、やりとりを繰り返せば作品はよくなるだろう。「やりとりを増やす」というあいまいな言い方に比べて、「直ちに取り掛かる」ことは、決心に費やす勇気が大違いだ。ゆえにシェファーディングのランゲージは、これを成し遂げるために「半分のパン」や「筆界は羊を知っている」パターンと結びつける。

2. 羊飼いは羊を知っている

ほとんどのシェファーディングは電子メール越しに行われる。電子メールはシェファーディングにとってほぼ理想的だが、互いに離れていて、いくらか匿名性を含んでいる。こういった性質が、電子メールを無視しやすくする。

ぎゃー!
メールにはいいところもあって、わるいところもある。いいところだけに注目して「はい成功」といかない現実はまさにフォースである。批判を受けるのはこわいし、批判をするのも心苦しい。しかしお互いがそのことを知っていれば安心できるものだ。そのうえで、期待していることを伝え合っていければ、いいおつきあいができるはずだ。

5. 持ち主としての作者

しかし時間が迫ってくると、作者は深く考えることもなく、シェファードの提案を単純にパターンの中に埋め込んでしまうだろう。

ぎゃー!
論文を直すときや議論をするとき、考え込むのがつらくて、納得できていない言い分を受け入れてしまうことはよくある。いいなりになるのはらくだ。だってあなたがおっしゃったのですよ、と言い訳が利く。
このパターンはシェファードの視点で書かれたものだが、羊の立場としても戒められる。その問題を一番深く考えているのは自分自身なのだ。「だってあなたが」なんていう言い訳はどれだけ愚かなことだろう。
この問題に対する、応答を質問で表そうという解決も、まったく妥当である。

6. 問題と解決のマッチング

パターンは、始めから終わりへと順序良く書かれているわけではない。作者はパターンを書くに従って、その中を跳び回る。

ぎゃー!
そして、

8. フォースが問題を定義する

形式上、問題がまず初めに来るので、作者は時折、解法を書く前に問題を記述する。だが、これもまた問題を含んでいる。解法をよく理解しないままに、問題を衝動的に記述する。しかし、作者が解法について詳細に考え抜かない限り、そのような問題の記述はあいまいで、非常に大雑把なもになりがちだ。

ぎゃー!
問題と解決の結びつきが重要であることはわかっている。僕はこの手の話が好きなので「問題こそ重要である」という考え方にはなじんでいる。しかし問題を定義することは難しい。なるほど、解法がわからない、衝動的に考えられた問題なのだ。
ゆえに問題を記述するためにフォース、そして問題とフォースの関係を考え抜くことが重要になる。パターンが単なるマニュアルでない理由としてフォースの存在が語れることにも納得がいった。