高田高史『図書館が教えてくれた発想法』

図書館でバイトをはじめた彩乃ちゃんが職員さんの10分講義を受けたりして、調べ物を身につけていく、すてきなラノベです。id:kunimiya:20080212:p1KU。

図書館が教えてくれた発想法

図書館が教えてくれた発想法

分類と空間が密接に関わっていることを学んだ。「右から左へさかのぼる」という考え方なんかは、書棚という制約のなかでひしめくように積み上げられる意味の危うさを思わせるというか。物理空間でありながらも、数直線として表せる一次元な捉え方で書棚は構成される。逆に、直線的に並べなれたに過ぎない本が、空間としてそれを越えうる多層性を装う。うまい言い方が思い浮かばないが、空間としてのインデックスみたいなものがあると感じた。
立体的な観点をもつことの重要性が説かれている。観点とメディア(事典、歴史、民俗学、児童書、雑誌、ネット)は絡み合っていることがよくわかる。いろいろな見方ができるのは、いろいろなモノがあるからこそだ。逆に、モノの特性を知ることでその見方を考えることもできる。もっといえば、いろいろなモノがある以上、いろいろな見方をいつのまにか教えてくれるのが図書館(などの情報機関)なのだと思った。
図書館のお話だと瀬尾まいこさんの『図書館の神様』も好きです。
図書館の神様

図書館の神様