ヒミツのわたし

好きなひととわかりあえるのはうれしい。好きなひとのことをわかるのはうれしいし、好きなひとに自分のことをわかってもらうのもうれしいからだ。しかし、それを突き詰めたところは、お互いに飽きてしまうことか、不毛な共依存かの、どちらかに陥るのではないかと、じつに無駄な不安がよぎる。そんな心配、するまえに……。
それでもやっぱり、ひとに隠す自分、というのを、ひっそりと温めてみたい。いつのまにか英語が読めるようになっていたり、いろんな映画を観ていたり、ドメインを取ってウェブサービスを運営していたり、(大学の)外のひとと伝手をつくっていたり、株で大もうけしていたり、ああ、僕の妄想力なんて高が知れている。それでも、そんな。
そのためには、シンプルに、勉強したり、行動するしかない。勉強と行動のどっちが大事かなんてここでは問わない。自分を信じることは、自分を突き動かすものに身をゆだねることで、孤独なようでじつは関係性の溶け込んでいる問いだ。依存と自発の境目を紡ぐように、僕は自分の世界を閉じ込める。