随筆

「エアコンをつけたり消したりする」

「エアコンをつけたり消したりする」よりも「つけっぱなし」のほうが消費電力が低いという説について、再現可能な実験レポートを知りたい(募集したいのではなく、単に知りたい)。平然と「エアコンをつけたり消したりする」とだけ書かれているのをみると「…

できる/わかる/考える

なぜ「考える」か。「わからない」けれど「できる」という事態に不安を覚えると、「考える」で解消したい。制度化された知的生産は限定された「わかる」とその応用としての「できる」を量産する。「わかる」から意味の連鎖を剥ぎとって出来事の連鎖を残す。…

感想がないという感性

感想文を書けないことがある。どんなときでも感想文を書けないのならば、感想文を書く機能を習得できていないのが原因だと思う。そうでないのなら、感想文を書けないことには意味があるのではないか。 感想文を書きなさい。どうやって書けばいいんですか。自…

物語と質的モデリング

性懲りもなくAKB0048の話をするんだけど、教科書としてのAKB0048は自分的になかなかの名文で、自分にとってのAKB0048のおもしろさ、なぜ自分はこんなにもAKB0048を魅力に感じるのか、ということを、自分の趣味の則して端的に解説している。つまり、物語をみ…

妄想倫理

思想(精神活動)の自由:実証不可能なことがらに他者が正しくはたらきかけることはできないという原理から自動的に導かれる権利だと思う。 表現の自由:人間らしさすなわち知性と密接に関係する表現という行為をむやみに妨げてはいけないという規範意識から…

おもしろ倫理

コンテンツが不徳なアプローチでつくられていることが不愉快で「不倫だ」と感じた。そのコンテンツを楽しみたい事情があるので忍耐していると、不徳センスが鈍って楽しくなってきて、それは目論見であると同時に、意図した敗北だった。そのセンスで考え直す…

言葉遣いの機能

ギャル語:リアクションを形骸化する(会話内容から独立させる)。会話をアゲる。 ブロント語:表現を冗長化する。なんでもない主張を美しい音韻に乗せられる。 淫夢ネタ:表現の端的さによる無愛想さをむしろ開き直って和らげる。

気分制御のための言葉繰りに対する嫌悪

「社員にはネガティブな言葉を遣わせないようにしています」というようなアレに、うわっ、うわ……、うわあ、みたいに思ってしまうのはなぜかを反省する。 ネガティブな気分やネガティブな言葉には風情があるから 気分の制御は仕事上の都合に左右されてはいけ…

生きる意味

生きる意味を考える。そのだいたいは動物として生きることで満たされると感じる。精神の満足が生きる意味の本質であると考えることもできるが、その考えは精神活動に没入して出てくるものだし、精神活動に没入できるという必然的な動物的安定を考えると、重…

勝ち組

勝ち組という言葉について、徹底に自分の感覚で考える。 勝ち組:表現のチャンネルを2つ以上もつひと という感覚がある。たとえば、 絵としゃべり 文章とプログラミング 工作とダンス 料理と音楽 映像とジャグリング チャンネルという言葉の意味範囲があいま…

入れたら出てくると楽しくてまた入れると楽しいのでは

ことさらに学ぶとか、ことさらにつくるとか、目的論的に、つくるために学ぶとか、学ぶためにつくるとか、そういう一体化とか、サイクルとか、そういうものをことさらにこころがけるのは有意義かもしれないけれど、目的論が手段に対する努力を呼び起こしてし…

勉強の気分問題

まちがいや見落としを指摘されると勉強が早く終わる。指摘がヘタだとさらに高等な勉強という目標においては早く終わることにはならない。どこまで高等にするのかというのは初めからはわからないので、最適指摘案配をあらかじめ決めることはできない。 自分で…

疑似恋愛の非対称性

なぜ「DD」が非難の対象となりうるか。築くべき関係が疑似恋愛であるからだ、という答えが浮かぶ。 「一押しでないこと」「単推しでないこと」がその対象を傷つけるという事態を想像する。「推し変」や「DD」はその事態を引き起こす。 恋愛はふつう排他的な…

見出しなみ

安いものとまあまあなものの価格差がどのくらいあるいか。たとえば包丁は100円で売っている。危なげなく切れる包丁は2000円で手に入った。26cmのフライパンは、2000円で買ったものと600円で買ったもので優劣を感じなかった。さっき400円のを見かけたがどうな…

時記

サブアカウントとかサブブログというものをうまく使いこす自信も意欲もない一方で、現にそういう使い分けをやっていることをふりかえる。主なものに限っても、テキストファイルの日記があり、日記のブログがあり、記録のブログがあり、気分の記録があり、マ…

文化衝撃

もやっとすることがあって、ものすごくもやっとしているから、もやっとしていてしかたがなくて、どうにもこうにももやっとするので、どうしたこうしたもやっとしているところで、じゃあ書いてしずめるかとなる。素がもやっとなのだから、意味ありげかたちあ…

構成的理解

このまえ紹介した動画*1について調べて、泉和良「自作ゲームしかなくなっちゃったんですよ」というインタビュー記事を見つけて、こんなゲームをご本人が実況していたことを知った。 政治とか国防とか尖閣問題についてはほとんど何も知らなくて、このまえ『何…

AKB0048の超越性と近接性/濱野智史『前田敦子はキリストを超えた』を読んで

AKB48の近接性 前田敦子はキリストを超えた: 〈宗教〉としてのAKB48 (ちくま新書)作者: 濱野智史出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/12/07メディア: 新書購入: 9人 クリック: 3,364回この商品を含むブログ (47件) を見るAKB48というシステムを動かしつづ…

よみがえるための学際(米山優『情報学の基礎』を読んで)

なぜ学際というもの(総合的・融合的な学問)が必要なんだろう。下品だけれど、敵をでっちあげるとわかりやすい。科学という悪をやっつけるために、学際なのだ、っていう。なぜ悪なのか。科学は命をダメにしているから。美とか創造とか発想とかっていう、人…

科学を舞台から引きずり降ろす

なんとなく、教育を受けてきて、科学的方法というのは、知をつくるための優れたしたやり方だというイメージが、自然に、かはわからないけれど、いだいてしまうような事態はあると思う。典型として、理学や工学の教育において。また心理学や経済学や、部分的…

アイドルに憧れる

声優のラジオとかよくみてて。ふと。ひとにゆめを与える声優を好きになる自分がゆめをもっていないのはウソだよなあ、と思ったことがある。注釈1:いまはそんなに気張ったことは思わない。注釈2:ここでの声優という言葉はほぼアイドルやタレントに置き換え…

「味見のやり方」を教えてくれたひと

ビッグマウス厨房という料理動画シリーズが好きだ。 ビッグマウス厨房をみて、料理の手法に「味見」というものがあることを発見した。「味見の姿」を初めてみた感じがした。 「味見」というのはフィクションだと思っていた。鍋のなかの汁をおたまですくって…

本を読みたくない理由

本を読むことがある。本を読みたくない理由はたくさんある。 難しい本が読めない:難しい本は読むのに時間がかかる。時間をかけてもわからないことが多い。 知らない言葉にイライラする:疎い分野の評論や、人名や地名が記される文芸全般において、知らない…

黙る、殴る、逃げる

どういうときに黙るか。 ぎょっとしたとき みたことがないもの、派手なもの、意外なものをみたときにぎょっとする。ぎょっとすると何も考えられなくなる。それに対して近づきたくないと思う。 板挟みがあるとき 前提と答えが矛盾するときに、答えを出すこと…

ごはんがうまく炊けない

百均で土鍋を買ってから土鍋でごはんを炊くようになった。このまえ買った米がうまく炊けないので困っている。芯が残ってしまう。それ以前は、強めの火で8分、弱めの火で8分でそれなりに炊けていた(鍋底が小さいのであまり強火にできない)。 うまく炊けるよ…

その他大勢のわれわれ

アイドルのお話で、アイドルの姿をみてアイドルを目指す女の子は主人公の典型だと思う。主人公は成長して、その姿をみてアイドルを目指す女の子がまたあたらしく生まれる、という展開も典型だと思う。目指すひとが、目指されるひとになり、それが繰り返され…

抽象化と発想が関係する風景を思い浮かべていなかった

きっかけ:抽象的≒客観的、なはずがない 『人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか』を読みはじめたとき、言葉がぜんぜんはいってこなかった。森博嗣は「抽象」という言葉に「客観」を結びつける。「具体」には「主観」と「論理」を。僕は逆…

蛇口を閉めてください

機械に焦らされる。無粋であると感じた。(a)しかしその機械はだいたい時間で動くので、時間に焦らされているのではないかと感じた。そしてもともとに自分の時間の使い方に焦らされているのでは。(b)機械でなければ何になら焦らされても無粋に感じないか。人…

NO NAME

「その他大勢のわれわれ」のなかの「われ」。「われ」は「その他大勢のわれわれ」というシルエットが生まれてやっとひとにとどくのであって、「われ」は「われわれ」にほかならない。 映画『舟を編む』を観た。辞書というのは小説や評論の本と違って作者をあ…

ガードレールの内側で興味がないことを勉強する

ひとの優れた成果をみると楽しい。その成果が自分の興味に重なるとなおさら楽しい。まもなくきもちが沈んでいく。興味のあいまいさゆえに錯覚できた希望の光は、優れた成果という絞りに遮られる。おかげでいくらか先がみえるようになるのだけれど、向こうま…